法学・憲法の学び方・導入レジュメ
1.法の目的
- 正義
- 紛争の解決
- 時代による変遷
- 細かく見れば、法律ごとに「目的」が異なる
2.条文の読み方・基本用語
(1)条文の読み方
条文の構造は、条、項、号である。原則としての規範が1 項に規定されると、2 項以降でその例外的な場合について規定される。また項のなかで、但し書がもちいられることがあり、これも当然に本文に対する例外について規定するものである。条文に良く用いられる用語(接続詞)の内、基本となるものを挙げれば、及び、並びに、若しくは且つ、がある。
大抵、且つ<若しくは<及び<並びにの順に大きく捉えて読む。
左の、とあるばあい、「さの」、と読む。なお、古くに制定された条文の原文には、第何項などのナンバーは振られていない。号は、単に漢数字で書かれている。
(2)用語知識(基本的なもの)
- みなす(看做す):反証をゆるさない ⇔ 推定する:立証責任の転換
- 得(できる):権利/権限 ⇔ 要す(せねばならない):義務
- 善意:知らない ⇔ 悪意:知っている
参考になるもの
- 佐藤幸治・藤田宙靖・長尾龍一・淡路剛久・奥島孝康・村井敏邦・寺田逸郎編集代表『コンサイス法律学用語辞典』(三省堂、2003年)
- 金子宏・新堂幸司・平井宜雄編集代表『法律学小辞典 第4版』(有斐閣、2004年)
(3)「六法」とは?
なぜ法令集を六法と呼ぶのか
呼び名自体への懐疑
3.六法の使い方
(1)凡例(使い方)
『新六法』「本書の使い方」
『ポケット六法』2006(平成18)年版の「凡例」
(2)「公布」と「施行」
(3)判例
「判例」の要旨
判例付き六法
- 有斐閣の『判例六法』
- 三省堂の『模範六法』
- 三省堂の『コンサイス判例六法』
- 岩波書店の『岩波 判例基本六法』
4.設例を使って考えよう
設例 作家Aは、衆議院議員を辞職して東京都知事選挙に立候補したものの落選した政治家Bとその愛人をモデルとして小説を執筆し、単行本として出版し、あえてモデル小説であることを広告して販売した。そこで、Bは、Aを相手取り、プライバシー権の侵害を理由に損害賠償を請求して訴えを提起しようと思う。どのような憲法や法律の条文が関係あるだろうか。
※「宴のあと」事件判決(東京地判昭和39年9月28日下民集15巻9号2317頁)をモデルに、杉原泰雄・野中俊彦編『新判例マニュアル 憲法II 人権2』(三省堂)所収の設例(鈴木秀美執筆)を参照して作成